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2017.11.22

アウトドアをライフスタイルに取り入れた達人〜「THE DAY」編集長 竹下 充さん〜

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アウトドアをライフスタイルに取り入れた達人〜「THE DAY」編集長 竹下 充さん〜
住宅の購入やガーデン・エクステリアの充実に際して、住宅や園芸の専門家、 またライフスタイル誌の編集者、人気のガーデナーたちがどんな情報発信をし ているのかは、私たちにとっても有用です。そこで今回は大人男子のリアルな ライフスタイル・マガジン「THE DAY」編集長の竹下 充さんにインタビュ ー。アウトドアのライフスタイルへの取り入れ方、人と自然のこれからの関係 をお伺いしました。

今回は大人男子のリアルなライフスタイル・マガジンとして人気の雑誌「THE DAY」編集長の竹下 充さんにインタビュー。00年代後半にアウトドアとファッションを融合したカルチャーを牽引した雑誌「GO OUT」を創刊し、音楽フェスはもちろん、自社企画である「GO OUT CAMP」など、アウトドアに関する人とギアの関係と進化を最前線で目撃してきた竹下さんが考えるこれからのアウトドア市場の動向、そして人と自然の関係とは。

キャンプは“大きいおままごと”外だから味わえる非日常を大人が楽しむ

——「GO OUT」を創刊された2007年当時のアウトドアのトレンドや市場の成り立ち方をどう捉えていましたか?

当時はファッションに尖った人が「アウトドアってイケてるんじゃないか?」って発掘し始めた時期で。アウトドアの技術が向上したことで、アパレルとしても楽しい素材が出てきた。ゴアテックスしかり、機能的でカッコいい素材が出てきたことで、アパレル関係者やデザイナーが、フェスに行ってアウトドアを楽しむようになってきたという印象でした。当初アウトドア道具は寝るために必要最低限のものって認識だったんですが、そこにファッション性を見出す人が増えてきたんです。

そうなると「俺も見た目がイケているテントでカッコよくしてみよう」というのが連鎖的に広がって行く。でも当初、アウトドアメーカーの中には「登山専門道具は、キャンプなどの遊びには相応しくない」という意見もありました。エベレストで使うようなハイスペックテントをフェスなどのキャンプで使うものじゃないと。

でもやはり専門的なものってハイスペックでカッコいいものなので、どんどん一般にも浸透して行く。その中で専門性の高いメーカーも無視できなくなってきたようで、それまで自然に調和する緑や、救助してもらいやすいオレンジとか目的が明確だったテントの色柄を「おしゃれだからチェック柄にしよう」というこれまでと違う発想が出てきて、商品が成熟してきたのが2010年ごろ。ユーザー目線に合わせたことで、「単純にカッコいいもの」が増えて、アウトドアの道具も進化していった経緯があります。

——アウトドア道具を手に入れることによってどういう空間を作りたいとか、どのようなニーズが背景にあったのでしょうか?

キャンプは“大きいおままごと”だと自分的には思っています。何十平米でも使える空間でおままごとができるのって意外と大人になっても楽しい。「リビングはこっち、寝室はこっち、キッチンはこっち。お気に入りのテーブルクロスをひいて、玄関マットはここに置いて」、みたいなことが自由にできる。家じゃない家なので非日常感があるし、外だからできることなんですよね。

震災以降の「自然ってすごいよね」という共通認識の敷衍

——では今、キャンプ、アウトドアを楽しむ層をどういう風に捉えていらっしゃいますか?

今はマスになったと思います。当初はいわゆる自然回帰的志向や、山=崇高という概念で、一般的には盛り上がらなかったものが、そういうものを取っ払って「楽しいし、かっこいいからいい」という入り口に変化して、それに伴って道具も進化して行ったという背景がある。それと同時に一昔前のオートキャンプよりも自然との関係性は近い感じはします。

——日常だけだと満たされない欲求があるのでしょうか。

「THE DAY」を創刊する一つのきっかけに、震災の影響や世界中での気候状況の変化があって、みんななんとなく「自然ってすごいよね」っていう意識がおそらく10年前より高くなっている。所得が上がっているとは思えない状況の中で、何をして遊べば一番楽しく効率的に生きていけるのかを模索しているのではないでしょうか? それは食べ物だったり、着るものだったり、趣味だったり、いろんなものを見直すきっかけになったと思っています。その中の選択肢として、例えば2日間、テントで暮らすというのは安価でも充実した体験になる。ありきたりかもしれないですけど、モノより経験を求めているという印象です。