自然浴生活 SPECIAL SITE

SHARE

PROFESSIONAL

2018.09.07

株式会社 笠建工業・代表取締役 笠井 昭宏さん【前編】

デッドスペースをアクティブに。お庭は家族の活力を生み出すパワースポット

SHARE

デッドスペースをアクティブに。お庭は家族の活力を生み出すパワースポット
日々の暮らしや住空間に物足りなさを感じているなら、それは“お庭”で解決できるかもしれません。天気に関わらず洗濯物を干せる場所が欲しい、日当たりのいい場所でくつろげる時間が欲しい、家庭菜園に挑戦したい、雑草対策など手間のかからないお庭にしたい……。お庭を活用して、自然を取り入れた豊かな生活を送るためのヒントを日本各地のお庭づくりのプロフェッショナルに伺いました。

愛知県知多半島や名古屋市全域、三河地区の外構、土木、造園の設計、施工を行うK’sエクステリアは、代表取締役である笠井 昭宏さんが2003年5月に設立した会社です。取材に伺った当日は若いスタッフが、同店の人気商材である人工芝の搬入をテキパキと行っていました。青々とした人工芝を横目に、「笠井さんが日々の生活の中で自然を感じる瞬間はどんな時でしょうか」とお伺いするとこんな答えが返ってきました。

ゴルフにサッカー。スポーツを通じて外で過ごすことが習慣に

「今一番自然を感じるのはゴルフに行く時かな(笑)。ゴルフ場では四季を感じますからね。桜や紅葉の季節を」

徳島出身で幼い頃はサッカー少年だったという笠井さんは、今も昔もスポーツを通じて外で過ごすことが習慣になっている様子(それにしてもゴルフにサッカーとは、現在、人工芝がK’sエクステリアの人気商品であることとも無関係ではないのかもしれません)。その後、大学入学のタイミングで愛知県に拠点を移し、現在に至ると言います。さぞ自然豊かな土地で庭づくりのバックボーンが育まれたのかと思いきや、自然がある生活の良さはあくまでも庭づくりの仕事の中で気づいたと言います。

「お客様に教えていただいているところはありますね。庭をつくり変えることで、庭に家族が集まってきたりだとか、“庭の威力”は逆に勉強させてもらっています。こうしてガーデンルームを販売したり、庭づくりをしていなかったら多分感じていなかったと思います」

それでは、笠井さんがお庭づくりを通じて気付かされた自然やお庭の魅力とはどんなものなのか、詳しくお話を伺っていきたいと思います。

お客様の喜ぶ顔を見て、お庭の力を思い知らされてきた15年

2005年に開催され、延べ2,200万人が足を運んだ愛・地球博(愛知万博)の開催に合わせて、土木工事を請け負う会社としてK‘sエクステリアを立ち上げたものの、万博終了後には土木工事の需要が減ることを見越し、早めに現在の外構の施工業務に舵を切ったと言います。

「業態を大きく転換したので、庭づくりに関しては仕事をしながら学んで来た部分もあります。庭というものの良さは、実際の庭づくりを通してお客さんに育てていただいた部分が多いですね」

雑草対策など、現実的な困りごとの相談が多く、“死んだ庭”、すなわち活用されていないお庭があまりにも多いことに気がつきました。元々は土木工事を請け負っていたことから、草刈りといったお庭のメンテナンスにとどまらず、敷地の地盤整備・改良などで、まず庭として活かすための土台づくりもできるのが笠井さんの会社の強みです。

「解体工事から造成工事まで一手にできるので、極端な話、解体の段階で完成した庭をイメージしながら、壊す部分と残す部分を決めて解体できるので、効率がいいんです」

庭としてスペースを蘇らせていくうちに、お客様の生活そのものが明らかに変化していく様子を目の当たりにするようになったそうです。

「年代問わず、ガーデンルームを付けたことによって、家族がよく集まるようになったというお話はよく聞きます。昔で言うところの“縁側”と言うか、家の中と外の中間の空間は、皆さんワクワクするようで、そのスペースをよく使うようになったと言われることが一番嬉しいですね」

庭を活用することで、家族だけでなくコミュニケーションの幅が広がるお客様が多いことも事実だそうです。

「庭をちゃんとすることによって人が動くというか。お友達を招いても新築の家の中だと皆さん、焼肉はしたくないんです、脂や匂いが付いてしまうから。でも、庭があると、家の外に出てバーベーキューをするようになる。そして、人を呼ぶようになる。家族以外の方も集まるというのは、お客様の声の中でも多いですよ。でも、最初から人を呼びたいから作っているわけじゃなくて、満足のいく庭ができたら見て欲しくなるんですよ。新築のお披露目を庭でやるという方も多いです。そこにご近所さんやママ友を招かれるんです」

お庭でパン屋さん開店!広がるお庭の可能性

中でもユニークなケースが、「ガーデンルームでパン屋さんを始めた」ご家族。

「そのお宅は庭にガーデンルームを付けたことによって、朝ごはんをそこでご家族一緒に食べるのが習慣になったんです。ある時、僕が近くを通ったら、『今度、ここでパン売るから』って(笑)。元々、奥様が自宅でパンづくりの教室をやっていたんですが、外に開かれているからパンを売るって言い始めて」

なんともおおらかなご家族ですが、それぐらい庭が開かれた場所になっている一例と言えそうです。その後、パン屋さんは、美容師をしていらっしゃる娘さんが実家に帰ってこられたタイミングでサロンへ変貌。家族のライフスタイルや仕事の変化に伴い、ガーデンルームを有機的に使っている例の一つでしょう。

「元々は車が増えるからカーポートの台数を増やしたいという、土木系のご相談だったんです。それがショールームでご覧になったガーデンルームが、奥様の印象に強く残ったんでしょうね。結局、カーポートは買わず、ガーデンルームになっちゃった。もう、庭としての活用という我々の想像を超えちゃいましたけどね(笑)」

“庭付き一戸建て”がもつ幸せな家族のイメージ

K’sエクステリアのお客様のご相談で最も多いのは、これから第二の人生を歩み始めようとするリタイア世代のお宅のお庭のリフォーム。そしてそれに次いで多いのが、新築一戸建てのお庭づくりの相談だそうです。

「家を買う時に、まず何を考えて一戸建てにしました?というお話をするんです。例えばお子さんとバーベキューしたいとか、芝生を張ってその上でプールをやらせてあげたいとか、ホームパーティーをしたいとか──。家の中でこんなクロスをつけたい、こんな風呂をつけたい、キッチンをつけたいというのは別にマンションでもできる。でも、マンションではなく戸建てを選ばれる方は庭でどんなことをしたいかというイメージがたくさんあったんじゃないですか?とお話ししていくと、『言われてみれば、そうだよね』ってなるんです」

家族の幸せな暮らしの象徴として、例えば新築の家のどこで年賀状用の写真を撮るでしょうか──、それは自然と庭になるのではないか?なぜ家を建てたのか。つい忘れがちになるものの、庭での暮らしは家族の活力の源であり、自慢のスペースになるはずだと、笠井さんは言います。

外に出ることは自然と触れ合うことであり、家庭内でそれを叶えるには、お庭を活用すること。そして、活用されているお庭は家族の元気の源になる──。自然と触れ合うことは、人を元気にしてくれるという実感が、笠井さんのお庭づくりの基本にあることが感じられました。

「我が家のパワースポットであり、家族以外の人とのつながりの場にもなる」、その信念で、多くのお客様のライフスタイルをアクティブにしてきた笠井さん。後編では具体的な困りごととその解決策をご紹介していきます。

プロフィール

笠井 昭宏>

1975年生まれ。2003年に愛知県名古屋市に外構、エクステリア工事や庭づくり、人工芝などの販売会社として設立。半田市にはショールームも構え、主に愛知県内の施主の要望に応える。大手メーカーのエクステリア施工コンテストでも多数の受賞歴を誇る。


HP:http://www.artista2005.com/

Text:石角 友香
Photos:大石 隼土