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2018.10.26

有限会社 安江工業様・代表取締役 安江 茂樹さん【後編】

これからの世代の家づくり。体験して理想の暮らしのイメージをつかむことから始めよう

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これからの世代の家づくり。体験して理想の暮らしのイメージをつかむことから始めよう
日々の暮らしや住空間に物足りなさを感じているなら、それは“お庭”で解決できるかもしれません。天気に関わらず洗濯物を干せる場所が欲しい、日当たりのいい場所でくつろげる時間が欲しい、家庭菜園に挑戦したい、雑草対策など手間のかからないお庭にしたい……。お庭を活用して、自然を取り入れた豊かな生活を送るためのヒントを日本各地のお庭づくりのプロフェッショナルに伺いました。

15年前に事業を公共工事から、一般家庭の外構工事へと転換し、「お家まわりのリフォーム屋さん」として地域のお庭づくりをサポートしている有限会社安江工業。先立って公開された前編では、代表の安江 茂樹さんに、自然豊かな地元・長野県諏訪地方への想い、地域の特性に合わせたお庭づくりの重要性について伺いました。この後編では、より具体的なお庭づくりのポイントやアドバイスを頂きます。

これからの時代 ─お庭に馴染みのない世代─ の家づくり

長野県の諏訪地区と上伊那地区を中心に事業を展開する「お家まわりのリフォーム屋さん」こと安江工業。代表の安江さんは、同地域には広い敷地を持っているにも関わらず、うまく活用できていないご家庭が非常に多いと言います。特にこれから家を建てたり、お庭をつくろうという若い世代程、広い敷地の活用方法を具体的にイメージしにくいのではないか、と指摘します。

「我々のような50代60代だと、子どもの頃に自然の中で遊ぶ生活、そしてお庭のある生活を実際に経験していますから、お庭づくりの具体的なイメージを想像しやすいのかもしれません。一方で、今の30代40代は分譲住宅だったり、団地やマンションで育ってきた方も多いため、お庭のある生活に馴染みがないのだと思います。遊び一つとっても、室内でのゲームが中心になってくると、どうしても自然と触れ合う記憶がないために、“自然浴生活”、自然を取り入れた豊かな生活と言われても具体的にイメージできない。お庭をどういう風に活用できるのか、知らない方も多いですよね。最近は分譲住宅も、庭も家とセットで作って提供して、ここはこういう風に活用して、こういう風に生活するんですよ、という提案をして販売すると言います。自分達でああしたい、こうしたいという気持ちはあまりない。それもすごくよくわかるんです」

「お任せ」できない庭づくり。まずは「何をしたいか」想像して

理想のお庭と言われても、すぐにはイメージできない。そういう方へのアドバイスとして、まずはお庭で何をしたいのかという希望を明確にすることが大事なのだと言います。

「当社に来られるお客様の中にも、『お任せで』とおっしゃる方がいますが、それでも実際にヒアリングして必ずご希望の活用法をお伺いしています。そうすることで、例えばバーベキューをしたいだとか、花を植えたいだとか、色々な理想があることがわかってくるんです。例えば玄関や駐車場であれば、車の台数やお家の間取りによって、ある程度セオリーがありますから、お任せと言われても対応はできます。ですが、お庭はそういったセオリーが決まっていないため、お客様が何をしたいかによってスペースの活用法は様々ですから、イメージを固めていただくのがまず一番大事だと思いますね」

また、安江工業に相談に来られるお客様の中には、手入れの不十分なお庭をリフォームして欲しいという要望を持って来られる方も少なくないそう。そうした方にも、具体的な困り事や今のライフスタイルに合わせたお庭のイメージを持ってもらうことを最優先しているのだといいます。

「以前担当したお宅で、庭が森のようになってしまったのでどうにかしたいとお越しになった方がいらっしゃいました。話を聞いて見せてもらうと、家を建てた際に外構業者にお任せで庭を仕上げてもらって、あまりお手入れをされなかったために150坪はある敷地に木が生い茂ってしまっていたんです。そこのお宅では、もうお子さんが独立されて、今は愛犬と一緒に暮らしていらっしゃるということで、お手入れがしやすくワンちゃんを遊ばせられるように適度な植栽スペースを設ける形でお庭をつくっていきました」

無理なく理想のお庭、住空間を手に入れるには?

理想のお庭づくりを進める上でさらに重要なのは、予算で妥協しないこと。予算ありきのプランを組んだとしても、後で必ず不満が出てきてしまう。それならば、予算と時間がかかったとしても理想のお庭を一つひとつ完成させていく方が絶対に良いのだそうです。

「今予定しているご予算の中だけでお庭づくりを完結させようとしても、後で絶対に後悔すると思うんです。妥協してつくったとしても、例えば基礎の部分で問題が出たり、満足できない箇所が出てきてしまうことの方が多い。そうではなく、最初に理想とするお庭をイメージしていただいて、予算内でできるところから一つひとつ完成させていく方が絶対に良いんです。そうした考えもあって、当社では予算に関係なく、お庭、駐車場、アプローチも含め、まずはじめにトータルでプランをご提示するようにしています。予算の問題があったとしても、パーツだけの提案はしません。その方が完成形をイメージしやすくなり、時間はかかっても最終的には理想のお庭や住空間をつくることができると思いますから」

“2.4mの塀”は高いか?低いか?

とは言え、着工前からどのようなお庭が理想なのか、設計図だけでイメージするのは難しいもの。自然やお庭と馴染みの薄い若い世代の方なら、なおさら具体的なイメージは湧きにくいでしょう。そういった方のためにも、ショールームで実際にどのような商材があるのか、体験してもらいたいと安江さんはいいます。

「倉庫の一画に相談スペースを設けていた頃は、お見せできる商材もなかったため、お客様にイメージを共有してもらいにくいと思っていました。そこで、このモデルガーデンをつくったんです。ここに来て実際に体験してもらえれば、色々な商材の良さがわかってもらえると思います。例えば、“高さ2.4mの塀”と数字だけ聞くと、 そんな高さは必要ない、と思ってしまいがちですが、実際に目で見てもらい、理由をご説明すると、その高さの理由も納得してもらえます。お家の中から見える外の景色を限定して、かつ外からの視線も遮ることができるので、プライベート感が高まり、安心してお庭で遊ぶこともできる。そうした体験をしてもらえれば、お庭づくりの具体的なイメージも想像しやすくなるはずです」

お客様の生活に寄り添い、笑顔を結ぶためのお庭づくりを日々サポートしている安江さん。時代と共に変わる世代の価値観。それにつれて自然を取り入れた生活の在り方も変わっていくのも当たり前なのかもしれません。しかし、地元・長野の豊かな自然が家族との生活をもっと豊かにしてくれるという想いは、安江さんが仕事をする上での変わらぬ信念となっているようでした。安江さんの話には、現代のライフスタイルに即した“自然浴生活”を志す上で参考にしたいヒントがたくさん散りばめられていました。

  • 看板犬のメイちゃんと。
プロフィール

安江 茂樹

1965年生まれ。有限会社 安江工業 代表取締役。諏訪湖のほとり長野県岡谷市生まれ。建設業を営む父の影響でモノづくりに興味を持ち、大学を卒業後は父の元で知識と技術を身につける。父から事業を譲り受ける際に公共事業から一般のお客様の外構工事に転換し、現在に至る。お庭のプランを提案した際の驚きと感動、そしてお庭が完成した時のお客様の喜びの声をやり甲斐に、日々お庭づくりに励んでいる。


HP:https://www.ouchimawari.co.jp/

Text:青山 晃大
Photos:大石 隼土