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2018.09.28

株式会社neutral・代表取締役 赤川 俊和さん【前編】

海外旅行に行く回数が少なくなる家。デザインの力で居心地の良い空間づくりを

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海外旅行に行く回数が少なくなる家。デザインの力で居心地の良い空間づくりを
日々の暮らしや住空間に物足りなさを感じているなら、それは“お庭”で解決できるかもしれません。天気に関わらず洗濯物を干せる場所が欲しい、日当たりのいい場所でくつろげる時間が欲しい、家庭菜園に挑戦したい、雑草対策など手間のかからないお庭にしたい……。お庭を活用して、自然を取り入れた豊かな生活を送るためのヒントを日本各地のお庭づくりのプロフェッショナルに伺いました。

海外の有名デザイナーが設計した住宅やお庭の写真を見て、「こんな家に住みたい」と、思う人は少なくないでしょう。クールでかっこいい自社サイトの施工例を見て、多くのお客様が相談にいらっしゃる株式会社neutral。モダンでおしゃれなデザインで、2013年から5年連続で各メーカーが主催するエクステリア施工コンテストで大賞を受賞されている、新進気鋭の会社を率いているのが代表取締役の赤川 俊和さんです。同社のコンセプトである「もっと素敵な家になる。」その言葉に込められた想いを伺いました。

家が身体なら、エクステリアや庭は服

「そもそもハウスメーカーで働いていたんですが、家がどんなにかっこよくても、その周りを囲むエクステリアが良くないと変な家になってしまう。そう思って仕事をしていたら、どんどんエクステリアが楽しくなって、ハウスメーカーを退職し、1年半ぐらい外構屋さんで働いて、その後独立し、2011年の3月に起業しました」

ハウスメーカー時代は営業や店長業務から、商品開発、販売企画まで家づくり全般の仕事を経験した赤川さん。

「家は法的な面で決まりごとが多くて、エクステリアの方がまだ少ないんです。デザインにも自由度がありますよね。天井がないので、上は空だし、植物を地面に植えられるわけですから、デザインの可能性が高いところが魅力でした」

赤川さんの現在のお仕事にかける情熱のルーツはあくまでも“デザイン”。

「海外のモダンな建築が好きだったんです。自分で『デザインが好きだな』と気づいたのは、ハウスメーカーで住宅のデザインをやっている時でした。ただ、やはり、テレビを置くスペースの後ろにタイルを貼るとか、それぐらいしかできないということに限界も感じていて。憧れていたモダンデザインをエクステリアや庭で実現しようと思い、この仕事を始めました。考え方としては家が身体で、エクステリアや庭が服のような感覚でいます。顔がかっこいいのにダサい服を着ていたらもったいないじゃないですか」

インテリアに関する造詣も深い赤川さん。インテリアデザインももちろん好きではありつつ、エクステリアという、これから需要が伸び、成長余地の大きい市場に注目したのだと言います。デザイン好きな資質と、ハウスメーカーで培った家とお庭づくりのノウハウを基に、デザイナー視点でお客様を満足させる「NEUTRAL」という、斬新なエクステリアショップが生まれたのでした。

家づくりは人生そのもの

赤川さん自身、家でくつろぐことが好きだと言います。

「人生ですね、家づくりは(笑)。人生もお金もかけて自分たちの好きなものを作るという意味では、やはり一番大きなものじゃないかと思います。だからこそ、服の部分であるエクステリアや庭にも洗練されたデザインが必要だと思います。エクステリアは家の最前面にくるものなので、そこをもっと素敵にすることでお客様を満足させたかったんです」

人生をかけて建てた家にも関わらず、その周囲には流れ作業的につくられた外構・エクステリアがあったり、庭に至っては使われてもいない──そういったケースを数多く目の当たりにした赤川さんが、「もっと素敵な家にしたい」という信念を持って、現在の仕事に取り組んでいるのが、実際の施工例からも伝わってきます。

「家を建てる人は“外構”、“エクステリア”なんて言葉を聞いたこともないと思います。だから家と比較すると随分低い予算を提示されて、『そんなにお金をかけなくていいものなんだ』と納得される。そしてコンクリートを敷いて、門だけ作って満足して……という状況で進んでいるケースが6〜7割です。それは“顔がかっこいいのにダサい服を着ている”ように見えて……」残念な思いをすることが多い、それが赤川さんがエクステリアで家そのものをもっと素敵にしたいという最たるモチベーションなのでしょう。

家から一歩外。プライベートな空間で自然を感じられることの価値

家をより良く見せるエクステリアのデザインを追求していく中で、外の良さに気づいたという赤川さん。

「家の周囲のスペースには完全なアウトドアとは違う良さがありますよね。すぐそこにあるプライベート空間ですから。本当にくつろげる庭を手に入れた人は、海外旅行に行く回数が減ったと皆さんおっしゃいますから。出かけることが減って、家にいることが増えたと。実際には庭にベンチを置いてみたり、時にはバーベキューをしたり。ホームパーティをするにしても庭があるかないかで、楽しみ方もぜんぜん違いますからね」

その一方で、デザイン性を重視するお客様の中には、植物もなるべく手間のかからないものが好まれる方も多いそう。「虫が来るから嫌」という率直なご意見もあると言います。

「『植物はある方が絶対良いものになるので』の一点張りでご説明します(笑)。自然の良さを実感してもらうには、とにかくまずは庭に出てもらうしかないので、そのためにも庭で暮らす価値を無理なく上げるようなデザインを心がけています。家の外に出たくない、興味もなかったところから、まずは出られる環境をつくること。それで外に出るようになれば、その一歩はすごく大きいと思います。庭という外の空間を自分の家に取り込むようになれば、もっと幸せな暮らしができる人が増えると思います」

赤川さんのお話を伺っていると、間に合わせで買った洋服は着なくなったり、サイズを吟味しなかった家具が部屋を圧迫していたりという、身近なこととエクステリアも無関係ではないと思えてきます。逆にファーストインプレッションも着心地もいい洋服は気分を上げてくれるのではないでしょうか。お客様の満足度のために、モダンでかっこいいエクステリアデザインを突き詰めるNEUTRAL。後編では具体的なお庭づくりのヒントをご紹介していきます。

プロフィール

赤川 俊和

1978年生まれ。株式会社neutral 代表取締役。ハウスメーカー、外構会社勤務を経て、2011年3月に愛知県下の名古屋市、豊田市、小牧市にオフィスを構えるエクステリア・ショップ「NEUTRAL」を設立。シンプル&モダンを得意とし、2013年から5年連続で各メーカーが主催するエクステリア施工コンテストで全国大賞を受賞。


HP:http://www.wise-nagoya.jp/

Text:石角 友香
Photos:大石 隼土